『インディ・ジョーンズ:クリスタル・スカルの王国』のレビューです。
前作の『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』から19年経ったんですね!
『ロッキー』や『ランボー』のタイトルロールがスタローンでなければ意味が
ないことと同じように、このインディ・ジョーンズもまたハリソン・フォードで
なければならなかった作品でしょう。
(とはいえ、今回共演したシャイア・ラブーフが新しくシリーズを引き継ぐので
はないか?という恐ろしい噂もありますが...^^; )
さて、この『インディ・ジョーンズ:クリスタル・スカルの王国』ですが、
批評家からも往年のファンからもボロカス言われたネガティブなレビューが
それはもうたーくさん入ってきています。
彼らの言っていることには共通点があって、まとめると、
1.現実離れしたアクションシーンに冷めた
ここで言う”現実離れ”とは、例えばスパイダーマンでも出来そうにない
<超人的な技>をラクラクこなしてしまうことや、スーパーマンしか生き残れ
そうにない<絶対絶命の状況>を、ほとんど笑いながら切り抜けてしまう
主人公とその仲間達のことを指しています。
2.セリフがどうにもバカバカしい
ごめんなさい。これについてはコメントできません!
フランスはパリなど大都市の一部の映画館を除き、ほとんどの映画が
フランス語に吹き替えされてしまっていて字幕で観れないんです。(涙
3.ラストに明かされる”クリスタル・スカル”の正体に呆れた
私はこのストーリーラインは悪くないと思ったんですが、
なぜ現代の観客は○○○○○に対してそうも拒否反応起こしてしまう
んでしょうか??
さて、それではこれらについて自分の意見を述べながら、感想を書いて
いきますね。
【注意】
!!!これ以降の記事には<ネタバレ>が含まれています!!!
率直な感想ですが、自分は最初から最後まで楽しめました。
ガハハハハーと横で大笑いしている息子(6歳)を見るのは楽しかったですし、
ぜひファミリー全員で観にいってもらいたい映画です。
まずインディ・ジョーンズが、『不老の銀幕ヒーロー』ではなく、年齢相応に
扱われているのがよかったです。とはいえ、彼のアクションシーンがレベル
ダウンしているわけではなく、歳にかかわらずゼッタイ不可能なスタントを
山ほど事も無げにこなしていますが!
冒頭の倉庫内でのアクションシーンは、ハリソン・フォードのスタントマンが
大活躍。(!)ちょっと走るくらいのシーンも彼のダブルが演じていて、
肝心の主役俳優自身の出番がほとんどなくあきれ返ってしまいましたが、
不思議と物語が進行していく内にそれも気にならなくなりました。
そんな野暮なことをつべこべ言わず、とにかく彼らが冒険を楽しんでいるように、
自分も映画自体を楽しも、!という気持ちになったというのがその理由でしょうか。
一番ファンからの非難が多かったのがやり過ぎで【現実離れしたアクションシーン】
の数々ということでしたが、これは例えば、
・インディが、冷蔵庫の中に身を隠し、核爆発を生き残るシーン
・マット(シャイア・ラブーフ)が、ターザンのごとくツタを使って
猿たちとジャングルを飛び回るシーン
・ナイアガラ級の巨大な滝を3つも続けて車ごと落下したというのに、
かずり傷一つ負わないインディとその仲間たち
などなど。
でも、なんていったってこれはインディ・ジョーンズの世界。
前3作と比べても特に今回の作品がやりすぎとは思わなかった私ですが、
おそらくこのあたりの反応は、私達見る者の<価値観>の変化でしょうか?
最初にこのシリーズが公開された80年代と違い、現代はバットマンなどの
アメコミ映画にさえ<リアリティ>を求められる時代。
実際、このバットマンを例にあげれば、限りなくカトゥーイッシュだったジョエル・
シューマッハ監督の2作でどんどん観客を失い、落ち目にあったバットマン・フラン
チャイズを見事に復活させたのが、バットマンというキャラクターをもっと深く掘り下げ、
ダークな現実性をもたらせた『バットマン・ビギンズ』でした。
でも、この『インディ・ジョーンズ:クリスタル・スカルの王国』を製作し、19年ぶりに
インディ・ジョーンズをスクリーンに復帰させたスピルバーグとジョージ・ルーカスの
目的は明らかに異なるようです。
例えば、全編を通して見られる80年代風なシーン。
インディ達とヴィラン達のジープが絶壁の上を疾走するカーチェイスのシーンにしろ、
南米の奥地の遺跡のセットにしろ、いたるところで意図的に80年代そのままの
タッチを残しているのがわかります。
そういった意味で、この『インディ・ジョーンズ:クリスタル・スカルの王国』は、
良い意味でも悪い意味でも、最初から最後までインディジョーンズ映画でした。
そして、それがなんといっても自分がこの作品を気に入った理由です。
インディ・ジョーンズというヒーローを、現代風に(?)ダークなキャラに描く
わけでもなければ、これまた現代の監督達が好みがちな<結ばれない恋>や、
<すれ違う親子像>をサブプロットに置くわけでもなく、実際この作品は
全くその逆に何もかもが<根明>的に展開されます。
インディは『インディ・ジョーンズ レイダース/失われたアーク』の恋人、
マリオンと再会し、ラストでめでたく結婚式をあげますし、彼ら2人の息子で
あることが判明したマット(シャイア・ラブーフ)はラストでインディのことを
「ダッド」と呼び、両親の結婚式では感銘深そうに涙ぐんで、何もかもハッピー
エンディング。
そうそう、エンディングといえば、
3.ラストに明かされる”クリスタル・スカル”の正体
について。
彼らの正体は【異次元からやってきたエイリアン】だったわけですが、
これに対する批判がものすごく多いのには正直びっくりしました。
エイリアンってそんなに時代遅れでしょうか...? ^^;
ラスト、南米のピラミッドが崩壊して大竜巻が大地を揺るがし、
ピラミッドの建っていた土台から巨大なUFOが出現して飛び立っていくんですが、
これはスピルバーグの出世作『未知との遭遇』へのオマージュ?!
かどうかはわかりませんが、とにかく圧倒的な<ど迫力>シーンに仕上がっています。
蛇嫌いのインディが、大蛇を掴まなければ砂地獄に落ちていってしまうという
究極の選択を迫られるシーン。
インディの父親(ショーン・コネリー)が彼のことを”ジュニア”と呼ぶ度
嫌がっていた彼が、自分の息子のことを同じように”ジュニア”と呼ぶシーン。
このようなあちらこちらに散りばめられたセルフ・パロディ的なシーンの数々も、
前作に親しんだファンには愉快です。

シャイア・ラブーフが、最後のシーンでインディの帽子を拾って
かぶろうとするシーンは次世代にシリーズが受け継げられるかもしれないと
いうヒント?
(でもインディ本人からサッと帽子を取られ、結局インディ・ハットは
インディ本人の頭におさまって映画は終わりますが。)
というわけで、自分にとっての『インディジョーンズ』とは、いつでもとことん
明るくて天真らんまんな世界観の中、壮大な冒険劇が展開する映画だったわけ
ですが、今回もまったくその予想していた通りの世界を2時間楽しめました。
80年代風の映画は80年代に属するべきで、21世紀の今の観客にはウケない?
確かに一般的に見ればそうかもしれません。この作品に対して辛口批評があふれ
ている原因でもあると思います。
でもこの80年代活劇(そう、”活劇”という言葉がこの映画にはふさわしい!)
を楽しむかどうかは、私たち次第。
インディ達にとことん付き合い、底抜けな楽観主義で、一大エンターティメント
としてこの映画を楽しむか、それともテンションなど一切存在しない”バカげた”
非現実的な映画として冷めた目で見物しながら苦笑するか...。
21世紀映画としてバージョンアップされたインディ・ジョーンズを期待しないこと!
そうすればきっと皆さんもワハハハハッと大いに笑って、とても楽しめる作品だと
思いますよ。^^
というわけで管理人おすすめ度:★★★★
(=映画館で見る価値あり!)
◇余談コーナー
ところで、美術はガイ・ディアスとクレジットされていますが、
これは『スーパーマン・リターンズ』の美術を手がけたディアス氏(メーキング
では彼の大活躍ぶりがうかがえました)と同一人物なのでしょうか??
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